音楽の授業 Music lesson Classe da música
この写真はブラジルのサンパウロ州に位置する一日本語学校の様子だ。
ブラジルの日系入植地、コロニア・ピニャールでは毎日の日本語授業に加えて音楽の授業が月に一度行われている。
日本から寄贈された中古のピアニカや鍵盤、そしてリコーダーを奏でている。普段はポルトガル語を流暢に話し、家庭でも日本語以上にポルトガル語を使用している子供が多い。もちろん「日本語学校内は日本語のみ!」とは言えどもポルトガル語はよく耳にする。
しかし音楽の時間で練習する曲は全て日本のものなのだ。具体的には東日本大震災でよく耳にするようになった「ふるさと」、「夏の思い出」、今日は「荒城が月」を練習した。歌詞の意味をわかっているのかどうかと聞かれれば分かっていないのだが、それはおそらく日本の公立小学校生徒においても同じことが言えるだろう。
筆者は建国記念日に日本国歌「君が代」とブラジル国歌を授業に用いて、全校生徒にどちらのほうが好きか。という簡単な問いをかけた。すると意外にも君が代を好んだ生徒の方が多く、理由は美しいと思うからだそうだ。一方で管楽器の演奏から始まるブラジル国歌の方が明るくて好きだという村の日系ブラジル人二世の声も聞いたことがある。
単純に二世三世という切り口で区切ることのできないことだが、音楽授業があたえる音楽への美的感覚は興味深いテーマである。