自然に恵まれた昔ながらの学校、イグアス日本語学校 Iguazu Japanese School, the good old Japanese school with rich natural environment
パラグアイ、イグアス移住地のkoharitaです。
今日は私が日本語教師をしているイグアス日本語学校をご紹介します。
今から54年前の1963年、イグアス移住地に日本語学校が開校しました。イグアスに入植が始まって約2年後のことです。現在の校舎は1967年に完成したもので、改修や増築をしながら50年もの間イグアスの子どもたちを見守ってきました。現在使用している机や椅子のなかにも、その当時から使われているものがあります。ラパーチョという南米原産の木から作られた机は、スチール製の机と比べ重いですが、とても頑丈に作られています。
生徒たちが元気に遊ぶ赤土の校庭にはサッカーゴール、鉄棒、国旗掲揚台、そして土俵があります(5月の子どもの日にはそこで男の子たちが相撲をとります)。学校を取り囲むように立つ木々は、子どもたちにとっては自然のアスレチックのようなもので、木登りをして遊んでいる姿を見かけます。また校庭で伸び伸びと過ごしているのは生徒だけではないようで、鳥が卵をあたためていたり、フクロウが巣を作ったりしています。他にも教室のドアを開けっぱなしにしていると、廊下から犬や猫、鳥が授業見学にくることもあります(雨の日は特に)。
このような自然あふれる学校で擦り傷をつくってどろだらけになって遊ぶ日本語学校の生徒たちですが、もちろん日本語の学習にも取り組みます。生徒の多くは午前中に現地校(パラグアイの学校)に通い、午後から日本語学校へ登校します。現在の生徒数は約120名で、小学2年生から6年生までが月・水・金、小学1年生と中学生が火・木(小学1年生のみ)・土曜日に日本語学校で勉強します。
ここで、日本語学校の1日をご紹介します。まず、校庭で全校昼礼を行います。このときに日本国歌を歌いながらパラグアイと日本の国旗を掲揚します。またラジオ体操を行ったり、校歌を歌ったりします。昼礼が終わると、各教室に分かれ出欠を取り、授業が始まります。授業時間は45分の3コマで、間に15分の休憩をはさみます。毎日担当の先生が授業時間を知らせる鐘を鳴らします。子どもたちは広い校庭のすみっこにいても鐘の音を聞いて、一目散に教室に戻ってきます。日本語の勉強をした後は、掃除の時間です。ほうきではいたり、雑巾がけをしたり、掃除分担表にそって黙々と掃除をする生徒もいれば、ほうきやモップの棒でチャンバラごっこをする生徒もいます。掃除が終わると、校庭に集合し終礼を行います。終礼後、移住地のあちこちに住む生徒たちは車や自転車、徒歩でそれぞれの家へ帰ります。
このイグアス日本語学校で日本語教師として子どもたちに関わりながら、イグアスの子どもたちはこのような環境で、50年前からここにある校舎、周りにある豊かな自然、あたたかなイグアス移住地の人々に見守られて育ってきたのだなぁと感慨深く思います。
ものがあふれる現代にも(もちろんここにも新しいものは入ってきますが)昔からあるものは決して忘れ去られたわけではなく、大切に残されている場所もあることを知りました。
イグアス日本語学校 http://yguazu-nihongogakkou.wixsite.com/yguazujapaneseschool