ブラジル、パラナ州の日本語お話大会 The Japanese Speech Contest in Parana, Brazil
9月28日、日曜日。こちら、パラナ州の小さな町で、第25回幼少年お話大会が行われました。
パラナ州各地で地区予選を勝ち抜いてきた子どもたちが集まり、参加者は実に99名。
3歳から15歳までの子どもたちが、ドキドキしながら舞台に立って一生懸命日本語でお話をしました。
しかも、審査員が目を光らせ、耳を澄ませてお話をじっと聞いているのです。それはそれは、緊張することでしょう。
緊張のあまり、途中でお話を忘れてしまう子も出てきます。そういった場合、きちんとお辞儀をしてから退場します。悔しさと恥ずかしさで一刻も早くその場から逃げ出したい気持ちを抑えて、聴衆にきちんとペコリと頭を下げて出ていく子どもたち。聴衆は大きな拍手を送ります。
地域によっては、まだ家庭内で日本語を多く使う地域もあり、そのような地域からの参加者は、やはり上手です。
それから、「日本帰り」と呼ばれる子どもたちもやはり上手です。親と一緒に日本へ行き、あるいは日本で生まれ、日本の学校に通っていた子どもたちです。そういう子どもたちも少なくありません。
去年、今年と、ここ、パラナ州で色々な子どもたちのお話を聞いてきましたが、「日本帰り」の子どもたちの言葉は、強く心に残っています。
「日本にいる私の友達は、今でも大きな口を開けて、笑っているのかな」
「ブラジルに帰ってきて、家族みんなで暮らせるようになって嬉しいけれど、でも、私の心のどこかを日本に忘れてきたような……」
「ブラジルに帰る私を、空港まで見送りに来てくれた友達。私は泣きませんでした。だって、絶対また会って、もっと良い思い出を作るからです」
自分の気持ちを自分の言葉で表し、自分の口で訴える子どもたちを見て、ちょっと涙が出てしまったりするのでした。