BIKOURAN(美光嵐)
私の日本語学校では、クラブ活動として和太鼓が盛んだ。
生徒を中心にメンバー約20名。その名をBIKOURAN(美光嵐)という。
私の前任者だった方が学生時代に太鼓をしていたということで、約2年前、生徒に呼び掛けて設立された。
今年6月に前任者が帰国した後は、生徒たちが中心となって自分たちでスケジュールやメニューを組み、稽古が行われている。
その後この学校に赴任した私は、当然太鼓経験ゼロ。
正直に言うと、私自身は当初そこまで関心があったわけではないのだが、生徒たちにおだてられ、あれよあれよという間に参加することになってしまった。
今では熟練の域に達した生徒たちから手ほどきを受けながら、嬉々として稽古に励んでいる。実に爽快なのだ。
ここポルトヴェーリョで和太鼓の活動を行っているグループは他にないので、今や実に多くの所から公演のお声がかかる。ショッピングモールでの催し、大学の文化祭、街のフェスタなどなど。
ちなみに私のデビューは、一般市民に開放され年に一度空軍基地で行われる大規模なお祭りだ。目の前に観客二千人はいただろうか。
かつて前任者(日本人)が生徒(ブラジル人)に和太鼓という日本の文化を伝えた。
時を経て私(日本人)は、普段日本語を教えている生徒たち(ブラジル人)から、逆に日本の文化を学んでいる。
我が日本語学校で繰り広げられる、ささやかな多文化共生のお話でした。