ベトナムでの日本の漫画事情(1) Japanese comic books in Vietnam (1)
Tinaです。私はベトナム出身で、現在、日本の大学院で勉強をしています。ベトナムにいるときから、仕事として日本の漫画をベトナム語に翻訳してきました。今でも、続けています。
今回は、日本の漫画のファンとして、ベトナムでの日本の漫画事情についてご紹介します。
1992年に、キムドン出版社(NXB KIM DONG)のもとで刊行された「ドラえもん」が大ヒットとなったきっかけで、ベトナムでは日本漫画が広がりました。
当時は作者や日本の出版社に許可を取っておらず、全て、海賊版でした。ページ数が少なく、単行本の半分程度の厚さです。読みこみ順番は日本と反転され、左から読む形でした。
(写真:Nguyen Hoang Viet)
ベトナム人が発音しやすくするために、キャラクターの名前は変更されました。例えば、「ドラえもん」の場合は、「のび太」(Nôbita)はそのままですが、「ドラえもん」は「どれもん(Đôrêmon)」、「しずか」は「すか(Xuka)」、「スネ夫」は「せこ(Xêko)」、「ジャイアン」は「チャイエン(Chaien)」、「ドラミ」は「どれみ(Đôrêmi)」になっています。
(写真:Cuong Po)
しかし、ベトナムが著作権の世界的条約のベルヌ条約を締結した後で、発行される漫画は読み込み順番やキャラクターの名前など原作通りの形に戻ってきました。
少年漫画の方は人気があります。
特に愛読されているのは、「名探偵コナン」です。漫画の他に、小説も愛読されています。
「ワンピース」
鳥山明先生の「ドラゴンボール」と「ドクタースランプ」
「銀魂」「黒子のバスケ」「スラムダンク」「ナルト」「FAIRY TAIL」「ヒカルの碁」「風光る」「犬夜叉」「進撃の巨人」「家庭教師ヒットマンREBORN!」「トリコ」「EYESHIELD21」なども大人気です。
「クレヨンしんちゃん」
その他に、「美少女戦士セーラームーン」「ガラスの仮面」「花より男子」「君に届け」「アオハライド」「カードキャプターさくら」「xxxHOLIC」「オレンジ」などの少女漫画も大人気です。
ベトナム語版の「セーラームーン」は内容だけではなく、表紙のデザインから効果音のフォントまで原作と同じように完璧だと評判になっています。
人気のある漫画と漫画家の作品を読者に紹介するために、各出版社が努力しているようです。
特に「ドラえもん」「名探偵コナン」「クレヨンしんちゃん」など短編、大長編、カラー作品集など様々な形やシリーズが発行されています。その中で最も多いのは「ドラえもん」で、20種類以上あって、読者がいつでも手に入れるために常に再発行されています。
以上、述べられた漫画のタイトルや写真が限られていますが、ベトナムでは日本の漫画は漫画市場の80%以上を占め、ベトナム人の若者を中心に愛読されています。