とあるブラジル考察 A inquiry about Brazil
12月の半ばに、ブラジルの公立学校へ行く機会をいただいた。
日本文化紹介、ということで行ってきたのだが、ちょうどその頃9年生(14歳)の卒業式を控えていたので、その練習も見学させてもらった。
私が今まで経験してきた「卒業式練習」の思い出と言えば…。
卒業生全員の起立のタイミングが揃っていなかったらやり直し、お辞儀のタイミングも揃うように、それぞれが心の中で「1、2、3」とゆっくり数えてから顔を上げる、椅子をずる音が大きく聞こえたらやり直し、という程、慎重を極め、息をひそめて臨んだものと記憶している。
こちらの学校にお邪魔して目にしたものは、卒業生が歌って踊って先生や親御さんを喜ばせるための練習、であった。
歌も最近の流行曲であり、歌が始まったら熱唱しながら踊るよう指示が出る。
校長先生を含む各先生方も、生徒と一緒に歌い踊る。
その日だけ飛び込んだ私までも踊りたくなってしまうような練習だった。
その様子を見て思い出したのは、在伯経験のある日本人の友達の言葉。
「即興でその場を気持ち良く盛り上げる力や、そこから一体感を生み出す力では、日本人は永遠にブラジル人には敵わないと思う」。
人が集まって盛り上がる・盛り上げる、ということを幼い頃から学んでいるのだなぁ、と感じたブラジル学校訪問であった。