ネパールブログ(4)ネパールの人々と言語 2 Nepal Blog(4) Nepalese people and language 2
ネパールには100を超える言語があるといわれていますが、学校では子どもたち皆が公用語のネパール語を習います。ネパール語が母語でない子どもたちの中には、学校に入ると同時にネパール語での生活が始まるので大変な思いをする子もいます。
これは知り合いの紹介で訪問した山間部の公立小学校の様子。カトマンズから車で5時間ほどかかります。この地域にはタマン語を母語とするタマン族が多く暮らしており、子どもたちは学校でネパール語を習い、同時にネパール語で多くのことを学びます。子どもたちにとっては外国語で勉強を教わるようなものなのでサポートがなければ大変ですが、この学校にはタマン族の先生も多く、今のところあまり深刻な問題はないとのことでした。
私のブワとアマは、シェルパ族という民族に属していて、ふたりの母語はシェルパ語です。これはチベット語に似ている言語で、「こんにちは」はチベット語と同じ、「タシデレ」です。
ブワはスーパーマルチリンガルでシェルパ語、ネパール語、チベット語、ヒンディー語、ネワール語、日本語、英語、ドイツ語の8言語を話しますが、このうち学校で勉強したのはたった2つ、ネパール語と英語だけだそうです。エベレスト近くのクムジュン村で生まれたブワは、エベレスト初登頂に成功したエドモンド・ヒラリー氏が建てた学校でネパール語を習い、その後移住したカトマンズで英語を学びました。チベット語、ヒンディー語、ネワール語は日々の生活の中で覚え、日本語とドイツ語は「シェルパ」の仕事で日本やドイツからのお客さんを山へ案内する中で覚えたそうです。
私とブワはいつもメールでは英語、会話では日本語を使っていますが、先日ブワとアマの家にホームステイをしたときに、日本語のわからないアマが会話に入れず孤立してしまうという事態が発生しました。そこで、アマとももっとコミュニケーションしたいと思い、私はネパール語を勉強することにしました。
(ネパールの人々と言語(3)へつづく)