ネパールブログ(5)ネパールの人々と言語 3 Nepal Blog(5) Nepalese people and language 3
ブワとアマの家でのホームステイをきっかけに一念発起してネパール語を勉強することにした私。さっそくカトマンズの中心地タメルの書店で、辞書を手に入れました。ちなみにそこの店員さんがとても気さくで、「私はライという民族の出身です。顔があなたたち日本人にそっくりでしょう?」と英語で話しかけてきました。
家では何とかしてアマとネパール語で話したい私は、食事の席で一つひとつ「これは何?」「これはどういう味?」と聞き、たくさんのネパール語を教えてもらいました。
ある日の夕食の席でのこと。アマにbhatmaas(大豆)と言う言葉を教えてもらったのですが私はうまく発音できず、アマにはどうしてもbadmaas(悪い子、いたずらっ子のような意味)と聞こえて、大笑いされたということもありました。ほんのわずかなネパール語を覚えただけでも、おいしい?からい?冷たい?と単語レベルではありますが会話が増え、アマとの距離もぐっと縮まりました。そしてアマは母語であるシェルパ語の語彙も少し教えてくれました。
カトマンズ近郊に観光に出かけた日。ドライバーはネワール族の方でした。ドライバーと私の間には流暢に通じる共通言語がなくしばらく沈黙が続きましたが、この日も覚えたてのわずかなネパール語を使ってドライバーに話しかけてみました。アマと同じように彼もたくさんネパール語を教えてくれたのですが、半日ほどたって打ち解けてきたとき、自分の母語はネパール語ではなくネワール語であるという話をしてくれました。そのあとからはネパール語とネワール語の両方を教えてくれるようになりました。「ネパール語のNamasteは、ネワール語ではJwa-ja-la-paa。Thank youは、Su-bhaay。犬はネパール語ではククルだけど、ネワール語ではキッチャだよ!」というように。
(ネワール族が多く暮らす古都バクタプルを、ネワール語を教わりながらドライバーと歩く)
公用語として広く教育されている言葉や英語を使ってしまうのは簡単なのですが、ネパールでは多様な母語が共存していて、”My language”と言って自分の母語に誇りを持って暮らしている人がたくさんいました。