エチオピアの学校の制服(1) Varieties of modern school uniforms of Ethiopia (1)
上の写真はエチオピア北部の小さな町の中高校の校庭の様子です。
全員制服を着ています。
町ごとに制服の色が違うようで、下の写真はちょっと大きめの地方都市の中高校の生徒です。
パソコン実習の授業中です。(一番手前の先生はフェイスブックを見ています。)
写真の二例は割と地味な色合いですが、1980年代後半~90年代前半に日本の(田舎の)学校に通っていた私にとっては「これが制服?」みたいな色(紫色とかピンク色とか)もありました。
その着こなしはかなり自由なようで、私が通った日本の学校のように、生徒の着ている服が何から何まで同じというわけではありません。下の3人も制服着用。後ろ姿で分かりにくいですが、中に着るものや履物は何でもいいみたいです。
しかし、制服について私が一番驚いたのは「女子生徒もズボンを選べる」ということです。
エチオピアの女性は髪を坊主にしていることも珍しくないので、ズボンの制服を着た坊主頭の生徒と話していて、てっきり男子だと思っていたら、女子だったということもありました。
このような制服の自由度は、私が10代の学生だった頃には考えられなかったもので、実際かなり驚きましたし、一般的には男性と女性で全く違う服装をしている現地の人たちが、「女子生徒がズボンの制服を着ていることに誰も驚かない」ことにも驚きました。
坊主頭の、ズボン制服の生徒が実は女子生徒であったことに私が気付いた理由は、言葉です。
以前に書いたように、エチオピアの公用語はアムハラ語です。アムハラ語は主語により、動詞が10通りに変化します。具体的には、「私/私たち/あなた(男性)/あなた(女性)/あなた(尊敬)/あなたたち(複数)/彼/彼女/彼・彼女(尊敬)/彼・彼女たち(複数)」という主語にそれぞれ対応した述語があります。(実際には共通の形のものもありますが。)そして、男性に話しかける時と女性に話しかける時、また複数の人に話しかける時では、語尾が変化します。
私は件の生徒をてっきり男子生徒だと思って話していたため、語尾を男性用に変化させたのですが、他の生徒がその「てっきり男子生徒」に対し、女性用の語尾を使っていたため、私はその生徒が女子生徒だということに気付きました。
驚いて「女の子だったの?」と聞いたら、彼女は笑っていました。「女なの?」という質問は、実はエチオピアにいた当時の私にもよく投げかけられた問いですが、そのことについてはまた次回書きます。