韓国調査こぼれ話(4) 暖かい給食
ここ3年の韓国での調査で、三校の小学校を訪問した。
初めに訪れたのはソウル市内の大学附属小学校で、ここは施設が整っており、説明を受けたカリキュラムも際立って丁寧であった。すべてのクラスに担任の韓国の教師、副担任の英語のネイティブ教師が配置されているとも聞いた。教室のディスプレイは見た目が美しいだけではなく、随所の工夫が見られ、また、教室運営も、机の配置一つとっても、ユニークで、子どもたちがいきいきと4人ごとのグループ活動を行っていた。雰囲気としてはインターナショナルスクールに近いという印象だった。
外国からの労働者が多い工業地域に位置していた二校の公立小学校では、偶然にも、両校の校長先生の口から、国家予算が回ってきたので、校舎や校庭をその予算で修復し、きれいにすることができたと伺った。ここでは訪問前に韓国政府の教育予算が近年、教育に振り分けられていると読んでいたのでそれをこの目で実感できたわけである。
公立小学校ではあるが、すべての教室には、私立と同様に、先生のパソコン、液晶のスクリーンがある。小学校1年生、2年生の授業で、実際に、スクリーンに映ったテキストと問題集を用いて、先生が子どもたちに教えている様子を見せてもらった。
どの学校にも共通していたのは、パソコンや液晶スクリーンという機械だけではなく、暖かい給食である。
日本と違うのは、一枚のステンレスのお盆にすべてを盛ることができることだ。この合理的な一枚の「プレート」を直前まで熱湯で暖めておき、暖かいご飯、スープが冷めないように工夫されていた。配膳のときにはお盆からまだ湯気が立ち上っていた。
それから、先生の目を盗んで嫌いなものを盛らないように友達に頼んでいたり、後で子どもたち同士で交換していたことは日本と変わりない。
ちなみに、このおいしそうな給食の写真は、大人の私に盛ってくれた量なので、子どもが食べる量ではないことにご注意を。