みゃーくふつ(宮古語)と日本語のバイリンガルになるために To be able to become a bilingual of Miyakoan and Japanese
藤田ラウンドです。
2016年10月26日に宮古島市平良市図書館北分館に於いて、「郷土の歴史と文化」講座の第2回目として、「みゃーくふつと日本語:バイリンガルが育つには」というタイトルで話をさせてもらう機会がありました。
宮古島市には2012年から調査を目的に訪れています。「宮古島市」とはいっても、一つの島を指すのではなく、2005年から5つの市町村が合併されたことから6つの島(北から、池間島、大神島、宮古島、伊良部島、下地島、来間島)から成っています。人口は、6島合わせて宮古島市全体で約54,000人です。
http://www.city.miyakojima.lg.jp/syoukai/gaiyou.html
今回、私の宮古島での調査の中間報告的な話をさせてもらった平良図書館の北分館は、もともとは沖縄県立図書館でした。私は郷土史や地域で出版された資料などを見るために北分館を訪れるようになりましたが、ここには子どもの本や新聞、雑誌なども共存しているのでその混ざり具合がいい雰囲気を醸し出しています。子どもたちが本を読んでいたり、地域の方々が新聞を読んでいたり、私は資料に目を通しながらも宮古島の人達の生活に触れている気持ちになります。その場所で今回はお話をさせてもらうことになり、郷土史や子どもの本に囲まれて、高校生から70代でしょうか、幅広い年代の宮古の人達に足を運んでいただき、感慨深い講座となりました。
当日の話の流れを少し報告します。今回は、バイリンガルの子育てに関わる子どもの言語発達の解説をし、それをみゃーくふつ(宮古語)の教育実践に結びつけるためにはどのようなことが可能だろうかということを一緒に考えるスタイルで話を進めました。バイリンガルを身近に理解してもらうために、参加者それぞれの「バイリンガル」のイメージをグループディスカッションで紐解いてもらう活動を行い、また、歴史的文脈からみる宮古島でのみゃーくふつから日本語への言語の移行についても話しました。(詳しくは、今後論文としてまとめます。)
話の最後に、島ことばをどのように活性化するかという点では、新たなみゃーくふつとして、みゃーくふつと日本語を意図的にコードスイッチングができるような方策(ストラテジー)、また、すまふつを語彙として多く身につけるための環境が必要ではないかと提起しました。そのためにも、みゃーくふつと日本語のバイリンガルといった、言語教育の視点で捉えることが一つの切り口になるのではないだろうかという私見を述べました。
これからもみゃーくふつのバイリンガル育てについて、宮古島の人達と一緒に考えていきます。