海の町の年越し Mythical tradition at the beach on the New year’s eve, Santos, Brazil
12月になると、ブラジルの洋服店には白い服が並ぶ。
ブラジルでは新しい年を迎える時に白い服を着るという習慣があるからだ。
海辺の町での年越しはさらにちょっと特別なのだ。
0:00が近づくと、人々は白い服で海へ行く。
その手には、白いバラやお酒が握られている。
海に着くと、人々は持ってきた花や酒、小さな舟などを海に流すのだ。
海の女神であるイエマンジャ(Yemanja)に捧げるためである。
イエマンジャとは、ポルトガルの植民地だった時代にアフリカから連れてこられた黒人奴隷たちの間で生まれた宗教の神の一つである。
そして、0:00を迎えると、一斉に花火が打ちあがる。
サントスの長いビーチを埋め尽くす花火。
新年を迎えると、人々は波打ち際へ向かい、
お願い事をしながら7つ波を飛び越える。
そして振り返らず、海の方を向いたまま後ずさりで浜へ戻ってくる。
これが、海辺の町での年越しの風習である。