スペイン・バルセロナとアート (3) Art in Spain, Barcelona (3)
greenです。
朝6時、まだ薄暗い中、カタルーニャ広場駅に向かいます。今日はあの有名なカタルーニャ出身の画家、サルバドール・ダリの出生地、フィゲラスへ。バルセロナに行く数ヶ月前に、国立新美術館でやっていたダリ展を観覧してから彼の美術館に行くのをとても楽しみにしてました。フィゲラスはバルセロナから電車で約2時間。
フィゲラス駅から8分ほど歩くと、広場に人間っぽい形をした像の後ろに、どう説明すればいいかわからない人形やデコレーションで飾り付けられた白い建物が見えてきます。金色の文字で「Teatre Museu Dali」。ここが美術館のメインエントランスです。すごく混むと聞いていたので、開館時間の1時間前に着くようにしました。まだ誰もいないので、美術館の周りを散歩しました。美術館の裏側は真っピンクな壁のお城のような建物、塔のてっぺんには卵、そして巨大なガラスのドーム。ダリらしい。
入り口は小さいので美術館に見えますが、入口を過ぎると小さな部屋と狭い通路の迷路。どこもかしこも彫刻、絵画やスケッチ、面白い形をした家具だらけ。壁にも、天井にも、階段にまで…建物自体が芸術作品になっているようです。
入口を通ってすぐに見える中庭。本物のキャデラックの上に女の人が両腕を広げて立っている大きなインスタレーション作品。周りの石の壁には外で見かけた金色の人形で埋め尽くされています。
ダリの奥さんでもあり、ミューズでもあったガラの肖像画。
ダリのヒゲが大好きだった写真家の写真コレクション。
個人的に気に入った作品をいくつか。
この作品は一見ただの絵に見えるのですが、ある特定の位置から見ると女優のメイ・ウェストの顔に見える仕組み。東京の国立新美術館でやっていたダリ展でも同じような作品があったので比較してみました。
美術館の中央にあたる部屋にきました。美術館に入る前に見かけた大きなドームはこの部屋の上にあります。このドームの真下に当たる地下室には、ダリが眠っているそうです。大きな壁画に描かれているのは海を見渡すガラ。奥のほうにエイブラハム・リンカーンの顔も見えます。
何度も同じ廊下を通ったり、順路を逆に回ったりを繰り返し、見どころの作品は大体見たというところで約3時間が経っていました。そろそろお腹もすいてきたので、美術館の裏にある別館ではダリがデザインしたジュエリーが展示してあると聞いてそっちに向かいました(残念ながら室内が暗すぎてうまく写真が撮れませんでした)。狭く、黒い壁の真っ暗な室内。廊下を照らすライトはなく、作品が展示されているガラスケースに備え付けられた照明のみ。大きな宝石のネックレスや、一面がダイヤで埋め尽くられたブローチ、金色に輝くオブジェなど。もちろん全てダリらしい奇妙な形をしたものです。
念願だったダリ劇場美術館、びっくり箱を開けながら回っているような驚きと感動。想像以上の経験でした。
高校の2年間を過ごした、住み慣れていた街とは言え、初めての一人旅。とても楽しみにしていた旅もこれで終わり。思い出の場所や初めての場所、懐かしい顔に会えたり充実した時間を過ごすことができました。
大好きなバルセロナ、素敵な2週間をありがとう!