多文化共生の現場(1)幼稚園の子ども会
東京は、今日は一面、銀世界となった。このしんしんと雪が降る中、新宿区にある幼稚園では子ども会が行われた。
年少(3歳)さん、年中(4歳)さん、年長(5歳)の子どもたちが歌と楽器演奏、劇遊びを披露をした。プログラムは、PTA有志の親たちが子どもたちに向けての熱いオープニングの歌(アニメの「忍たま」のテーマの替え歌)で、子どもたちに熱いエールを贈るところから始まった。
それに応えて、3歳から5歳までの子どもたちが日本語、韓国語、中国語、スペイン語、英語の5言語による「きらきら星」を最初に披露。子どもたちの母語を、子どもたちが「先生」となってお友達に教え合ったという多言語での「きらきら星」だった。日本語母語の子どもたちも元気よく、はっきりとごく自然に歌っていた。
スペイン語と英語といっても、この子ども会ではスペインやアメリカを意味するのではない。言語と国籍は時には一致しないものだが、大人が「英語」というとアメリカやイギリスなどを思い浮かべることとは異なり、この子どもたちにとっては、その歌の言語は「国」ではなくて、「お友達」のことばである。
日本語を母語としない子どもたちが、自分の母語、ルーツ、家庭での言語を使って幼稚園で堂々と発表ができ、また、日本語が母語である子どもたちがお友達を通して多言語に触れる発表の機会である。
ごく普通の保育が行われていると幼稚園の先生方はおっしゃるが、この「普通」の保育現場が、私の目には「多文化共生」の実践に映る。一人一人の子どもたちが活き活きと自分の得意なことばで自分の気持ちを表現できたり、先生やお友達に認めてもらい、大勢の保護者に拍手をもらう。このような教育の現場で、私は常に多文化共生のヒントをもらっている。
アリス
2014/02/10 @ 8:58 AM
私達の日本語学校でも、年末に学習発表会を行っていますが、母語以外の言葉で発表するのはとても大変です。でも上級生は自分たちで脚本」も考えて、立派な劇を行いました。普段教室では大きな声を出さない生徒も、とても大きな声でマイクもつかわないで行ったのでびっくりしました。なにかきっかけがあれば子供たちはがんばるんですね
Fujita R Sachiyo
2014/02/21 @ 8:50 PM
コメントをありがとうございます。そうなんです。普段とは違って、このような晴れの舞台では子どもたちの違う顔が見れます。きっかけを作ることが大切だと私も思います。