おいしい記憶 Delicious memory
どーん。
火山から溶岩でも流れ出しているかのようだけど、もちろんそうじゃない。
これは有名な韓国の焼肉、サムギョプサルだ。
豚の三枚肉(バラ肉)を焼いて、キムチやニンニクと一緒にサンチュという菜っ葉に包んで食べる料理。
焼いている鉄板は少し傾いていて、油が落ちていく仕組みになっているので、油っぽくなくていくらでも食べられる。
個人的にサムギョプサルは、思い出深い料理だ。
以前付き合っていた人は、お母さんが韓国の人だった。
その人と一緒に韓国に遊びに行ったとき、親戚の皆さんに食べさせてもらった料理のひとつが、サムギョプサルだったのだ。
親戚の皆さんには、他にもとても良くしてもらって、ぼくはとても嬉しかったのを覚えている。
その人とはもうパートナーではないので、あの皆さんにまた会うことはないかもしれないけれど、
ぼくのなかにその出会いは、おいしい、うれしい記憶として残っている。
そしてその記憶は、いま大久保の街を見つめながら生きていく上で、欠かせないレンズとなってくれているように思う。
ところで、写真のサムギョプサルを食べていたお店で生マッコリを飲んだのだけど、
その時出してくれた銘柄は、新大久保の他のお店の生マッコリと同じものだった。
おそらく、同じ仕入先があるのだろうし、他にも同じ生マッコリを出すお店があるのだろう。
街には、ぼくの知らないネットワークがまだまだ広がっている。