続・ネパールブログ (1) ネパール地震から1年…その後のネパール Continued Nepal Blog(1) One Year after Nepal Earthquake, Life after the Earthquake
おひさしぶりです!昨年度、2015年の2月のネパール旅行を綴ったネパールブログを書いたNumaです。
ネパールを襲った大地震から、1年が経ちました。日本では地震後しばらくすると報道もなくなり、少しずつ人々の意識からネパールが風化していったような気がします。今回は、この間にネパールではどんなことが起こっていたのか、ネパールにいるアマやブワ、友人知人たちの話を紹介します。
「ガソリンもガスも手に入らなくて困っている」「燃料が買えないので、庭にかまどを作って山から拾ってきた薪で料理をしないといけない」
2015年の秋ごろから、ネパールの友人たちからこんな近況を聞くようになりました。いったい何が起こっているのか、なぜこんなことになっているのか?どうやら政治的な問題が人々の生活に打撃を与えているようでした。
ネパールでは、2008年にそれまでの王政が廃止され、民主化が宣言されました。その後、新しい憲法を制定しようと長きにわたって議論が続き、2015年9月にようやく新憲法が制定されました。やっと憲法が決まってよかったね!と思っていたのもつかの間…。「新憲法で制定された新しい“州の区割り”では、自分たちを代表する議席を十分確保できない」という不満を持つ「マデシ」と呼ばれる南部の住民が反発し、彼らを擁護するインドとの関係が悪化したのです。マデシは、インドのビハール州の住民と血縁関係を持つ者が多く、言語や文化を共有しているために、マデシの議席が確保されることはインドにとっても政治的に重要なことなのでしょう。
インドとの関係悪化の結果、カトマンズでは次のようなことが起こったそうです(現地の人の話)。
「ガソリンがなくて、バスもタクシーも乗れない。あったとしても、値段が5倍以上に跳ね上がっている。もちろんスクールバスも出せないから、子どもたちの学校は休み」
「ガソリンが入荷したというニュースをキャッチしたので、自分のバイクにガソリンを入れるために8時間も並んだけど、結局買えなかった。むしろ、ガソリンスタンドと自宅の往復分の燃料を無駄にしたよ」
「ガスが買えず、家にあったガスも尽きてしまったので、今は庭にかまどを作って、枝や薪で調理をしているんだ」
「バスもタクシーも十分でなく、ガス不足でレストランの休業も相次ぎ、観光客が激減してしまった」
「震災直後より、今の方が、物がないよ!!!」
あまりの燃料不足のため、政府が国有林の伐採を許可することもあったそうです。環境問題も懸念されました。
このように震災からの復興はもとより、国民生活に多大な影響を与えた燃料不足の原因となった国境封鎖は、2016年2月まで続きました。封鎖が解除された直後も、物資の流通はすぐには回復しなかったそうですが、その後はあまり混乱しているような話は聞きません。
その後のネパールはどうなっているのか…?8月に自分の目で見て肌で感じて来ようと思います。